KADODE
【営業責任者コラム】AIの最初の一歩、「何から始めれば」の答えは、繰り返しの業務の中にあります
こんにちは。KADODEで営業責任者をしている内藤です。
前回、「何から始めればいいのか分からない」というご相談がいちばん多い、という話を書きました。書き終えてから、肝心の「では、どう始めるのか」に触れていなかったので、今回はその続きです。
私が商談でどうやって最初の一歩を探しているのか、実際の例と一緒に書いてみます。
私が商談で必ず聞くこと
何から始めるかを考えるとき、私が必ず伺う質問があります。「毎週、毎月、あるいは毎四半期、同じ形で繰り返している仕事はどれですか」というものです。
AIの話を最初にいただくとき、多くの方は何か新しいこと、派手なことを想像されています。ただ、実際に効果が出やすいのはその逆で、ずっと前からやっている地味な繰り返し作業の方なんです。特に、「見る・調べる・書く」。資料やデータを確認して、原因や内容を調べて、報告書や書類にまとめる。この3つが繰り返されている業務には、だいたい負荷が溜まっています。
こういう業務は、意外と社内で課題として認識されていません。長年やってきた仕事なので、大変なのが当たり前になっているからです。前回、昔の私は困っていることに気づいていなかった、と書きましたが、同じことが業務の単位でも起きているのだと思います。
実際の例:データは揃っているのに、人が疲弊していた
最近の事例をひとつご紹介します。ビルの空調設備のメンテナンスをされている企業様で、四半期ごとに遠隔点検の業務があります。計測データ自体はシステムに自動で蓄積される。ここまでは仕組み化されているんです。
ところがその先の、グラフを見る、異常の原因を調べる、報告書を書く、という工程は、すべて技術者の方の目視と手作業でした。確認するデータは1建物あたり1万点以上。異常らしきものを見つけたら、図面や説明書や過去の報告書を突き合わせて原因を探す。それを四半期ごとに、建物の数だけ繰り返す。お話を伺いながら、これは本当に大変だと思いました。
私たちがご提案したのは、この「見る・調べる・書く」の部分にAIを入れることでした。データの解析から異常の検知、原因候補の提示、報告書のドラフト作成までをAIが担当し、最終的な判断は技術者の方が行う。この形で、点検から報告書作成までの工数を最大7割削減できる見込みです(現段階では想定値で、実証実験で実測する計画です)。
※詳しくは事例記事にまとめてありますので、興味のある方はご覧ください。
最初の一歩に向いている業務の、3つの条件
この事例に限らず、うまくいきやすい最初の一歩には共通点があります。商談を重ねる中で、私は3つに絞って見るようになりました。
①同じ形で繰り返されている業務であること
繰り返しがあるほど、自動化の効果も繰り返し効いてきます。
②判断の材料がすでに揃っていること
この事例でいえば、計測データも図面も過去の報告書も、すべて社内にありました。材料が揃っている業務は、AIがすぐに力を発揮できます。
③最後の判断を人に残せること
AIにすべてを任せる必要はありません。というより、任せないほうがうまくいきます。AIが下調べとドラフトまでをやり、人が確認して確定する。この分担なら、現場の方も安心して使い始められますし、間違いがあっても止められます。
小さく始めることの意味
もうひとつ、この事例でお伝えしたいのは進め方です。最初から全建物に導入したわけではありません。まず1つの建物の、1つの系統に絞って実証実験から始めました。
遠回りに見えるかもしれませんが、順番が大事だと思っています。小さな範囲で「たしかに使える」という実感を現場の方が持ってから広げる。前回のコラムで書いた「やってみたら意外とできました」は、この順番からしか生まれません。数字の削減効果ももちろん大切ですが、最初の一歩で本当に手に入れたいのは、「これなら自分たちにもできる」という現場の感触のほうだと思っています。
逆に、最初の一歩に向かないもの
反対に、最初の一歩として選ばないほうがいい進め方もあります。いきなり全社に導入しようとすること。判断そのものをAIに丸投げしようとすること。それから、使うツールを先に決めてしまって、業務のほうをツールに合わせようとすることです。どれも、現場がついてこられなくなる原因になります。
最後に
みなさまの会社にも、「同じ形で繰り返していて、材料は揃っていて、最後の判断は人がやればいい」という業務が、探せばいくつもあるはずです。まずはそれを探すところからで十分です。
どれが当てはまるのか分からない、という場合は、まず一度お話させてください。業務を伺いながら、できそうなところを一緒に探します。前回も書きましたが、まだ何も決まっていない段階のご相談こそ、大歓迎です。









