KADODE
【営業責任者コラム】紙とエクセルで仕事をしてきた私が、AIの会社で営業責任者をしている——「何から始めればいいか分からない」に向き合い続ける理由
こんにちは。KADODEで営業責任者をしている内藤です。
文章を書くのはあまり得意ではないのですが、日々の商談でお客様から伺う悩みには共通するものが多く、一度言葉にしておきたいと思い筆を執りました。
もともとは、紙とエクセルで仕事をしていました
最初に自分の話をさせてください。私はもともと、ITに詳しい人間ではありません。前の仕事では、報告書も管理帳票も基本は紙で、集計はエクセル。システムらしいものは、一部の情報管理で使っていた程度でした。
当時それで困っていたかというと、実はそうでもないんです。長い間そのやり方でやってきたので、当たり前になっていました。これ以上の効率化ができるとも思っていませんでしたし、そもそも「効率化しよう」という発想自体がなかったと思います。いま思えば、これがいちばん怖いところで、困っていないのではなく、困っていることに気づいていなかったんですね。
入社してから知った、「当たり前」の外側
KADODEに入ってからは、毎日が発見でした。こんなこともできるのか、こんな形でできるのか、という驚きが続いて、苦労した記憶よりも、学ぶ楽しさのほうがずっと強く残っています。
ただ一方で、悔しい思いもしました。AIに詳しいお客様との商談で、話についていけず、言葉に詰まったことが何度もあります。自分の知識不足を突きつけられるあの時間は、正直しんどかったです。ただ、あの悔しさがなかったら、いまも勉強を続けていられなかったと思います。
月100件の商談で聞いてきたこと
いまは営業責任者として、週に20件ほど、月にすると100件近くの商談をしています。ご相談でいちばん多いのは、次の2つです。
「AIをやらなきゃいけないのは分かっている。でも、何から始めればいいのか本当に分からない」
「ツールは入れてみたが、現場でそこまで使いこなせる人がいない」
さらに詳しく伺っていくと、状況はもう少し具体的に見えてきます。どの事業部の、どの業務フローの、どのプロセスに、どうAIを使えばいいのか。ここを整理できている会社は、ほとんどありません。整理できていないから動けない。一方で、経営層からは「AIを使っていかないと」という号令がかかっている。ご担当者は、その間で板挟みになっています。
現場の方とお話しすると、「やり方が分からないから、このままでいいや」「今じゃなくてもいいか」という言葉が、ぽろっと出てくることがあります。半分諦めのような言葉ですが、私はこれを責める気持ちには少しもなれません。かつての私が、まさに同じことを思っていたからです。アドバイスをしているというより、昔の自分に話しているような気持ちになることがよくあります。
なぜ「まだ何も決まっていない段階」から支援したいのか
AI導入の支援というと、要件が固まってから声をかけるもの、と思われている方が多いかもしれません。実際、「まだ何も明確になっていなくて」と、申し訳なさそうにご相談される方はとても多いです。
でも、私たちからすると、向き合わない理由がないんです。目の前に、「業務を効率化したい、でも何から始めればいいか分からない」と悩んでいる方がいる。明確になっていないからこそ困っているわけで、そこを一緒に整理するところから始めればいいだけの話です。組織や現場の課題を細かく分けていくと、「ここならすぐできそうだ」という部分が必ず見つかります。まずそこで小さな成功体験をつくって、「これなら自分たちにもできる」と実感していただく。本当の伴走は、そこから始まると考えています。

いちばんの壁は、技術ではなかった
ご支援の中で難しさを感じるのは、実は技術ではありません。経営層と現場の間にあるギャップです。
ご支援の現場では、経営層の方から「思っていた現状と全然違いました」という言葉を聞くことが本当に多いんです。
経営層が把握している業務の姿と、実際に現場で起きていることがずれている。資料や会議では見えない悩みや戸惑いが、現場にはたくさんあります。このずれを放置したままでは、どれだけ良いツールを入れても使われずに終わってしまいます。
だから私は、ご支援の最初に、現場の方の話を聞く時間をいただくようにしています。方向性のずれではなく、現状認識のずれ。ここを丁寧に埋めていけば、経営層も現場も納得できる着地点は必ず見つかる、というのがこれまでの実感です。
「やってみたら、意外とできました」
業務の負担には、二種類あると思っています。ひとつは時間や体力の負担。もうひとつは、心の負担です。「今日もこのタスクまで手が回らなかった」「雑務みたいな処理に追われて、やりがいや成長につながっている気がしない」。商談でこういう言葉を伺うたび、負担の正体はこちらなのではないかと感じます。
小さな成功体験を積んだお客様が、「最初は不安だったけど、やってみたら意外とできました」と笑顔で話してくださることがあります。この仕事をしていて、いちばんうれしい瞬間です。時間が浮いたという事実そのものより、「自分たちにもできた」という感覚が、その後の変化を大きくしていくように思います。
最後に
AIが仕事を奪う、という話をよく聞きます。ただ、現場を見てきた実感は少し違っていて、AIは、手が回らなくて諦めていた仕事、本当はやりたかった仕事に挑戦する余裕をつくってくれるものだと思っています。頼れる相棒がひとつ増えることで、一人では諦めていたことに手が伸びる。そういう人が増えた組織は、自然と強くなっていきます。
もしいま、何から始めればいいか分からない、という状況でしたら、まず一度お話させてください。現状を伺ったうえで、まずは『できそうなこと』を一緒に探すところから、伴走させていただければと思っています。









