人材派遣業/SES

【実践Tips】手書きの職務経歴書もAIで読み取り!スキルシート作成時間を90%削減!

履歴書や職務経歴書を受け取るたびに、その内容を自社フォーマットへ移し替える作業が発生します。手書きの書類やスマホ写真などが混ざると、従来のツールでは上手く読み取れず、結局手入力に戻ってしまうことも珍しくありません。また、記述が少なければ営業担当が自己PRや補足文を書き足すことになり、出来栄えが担当者の経験に依存しがちです。
こうした手間のかかる作業、社内に残っていませんか?

KADODEでは、この「読み取り・転記・添削」の一連の流れをClaudeに任せ、人は最後のチェックだけを行う形へ切り替えました。取り組みの最中ではありますが、作業時間は約90%削減できています。今回は、実際に行った手順をご紹介します。

なぜ「読み取り」と「書く」を分けないのか

書類の転記を自動化しようとすると、まずOCRで文字を起こしてからテンプレートに流し込む、というやり方を思い浮かべがちです。しかし、この方法だと手書きや画像データの段階で作業が止まってしまいます。文字を正常に拾えなければ後の工程が進みませんし、仮に読み取れたとしても、細切れの文字列をそのまま整った文章にするのは難しいのが実情です。

そこで、「読み取り」と「文章の作成」を別々に扱わず、まとめてAIに頼むようにすると途中でつまずかなくなります。AIは前後の文脈から意味を補いながら文字を拾うため、レイアウトが崩れた書類であっても規定の項目に沿ってきれいにまとめてくれます。さらに、営業が後から行っていた添削までまとめて依頼してしまえば、人が手を入れる回数そのものを減らせます。

自動化の具体的手順(3ステップ)

事前準備
・スキルシートのフォーマットを1つに固定する(項目名・並び・記載の粒度まで)
・「良いスキルシート」の実物を2〜3件用意する(営業が添削し終わったもの)
・個人情報の扱いを決める(マスクする項目、原本と出力の保存先)

ステップ①:原本を加工せず、そのまま読み取らせる

PDF・スキャン・画像データのまま渡します。事前に文字起こしをしたり、見栄えを整えたりする必要はありません。ここで大事なのは、判読しにくい文字や足りない情報を無理に推測で補わせず、「要確認」として一覧で出力させること。AIに勝手な推測をさせないことが、後の確認の手間を大きく左右します。

🔴 効果:手打ちの転記がなくなり、人が見るのは要確認として挙がった数行だけになります。

ステップ②:スキルシートと提案文を、一度の指示で作らせる

フォーマットと見本を渡したうえで、スキルシートをExcel形式で作成させます。あわせて提案文も書かせ、自己PRが不足している場合は職務経歴の中から根拠となる実績を拾って文章を整えさせます。守らせるルールは「元の書類にない情報は絶対に書かない」という1点のみです。経験年数やスキルのレベルを誇張して書くことは、提案先に提出する書類として最も避けなければなりません。

🔴 効果:営業担当が後工程で行っていた添削・補完が、作成の時点で織り込まれます。

ステップ③:人の役割を「最終確認」だけに寄せる

人が確認するポイントを3つに絞ります。社名・期間・役割などの「事実関係」、ステップ①で抽出された「要確認箇所」、そして「提案先の要件と合っているか」です。提案先に応じた微調整が必要な場合も、一から書き直すのではなく「この要件に合わせて強調する部分を変えて」と指示を出すだけで済みます。

🔴 効果:確認作業へ時間をしっかりと使えるので、作業の質が変わりました。

精度を決めるのは、指示より「見本」

実際に精度を高めるうえで効果的だったのは、AIへの指示文(プロンプト)を工夫することよりも、読み込ませる資料の質を高めることでした。意識したのは次の3点です。

1. フォーマットを1つに固定する:
 人によって項目や並びが違うと、AIの出力も揃いません。
2. 見本は「実物」を使う:
 理想像を文章で説明するより、添削し終えた現物を2〜3件渡すほうが早く、確実です。
3. 境界線を指示に組み込む:
 「書いていないことは補わない」「判読できない部分は要確認として出す」というルールを必ず明記します。

フォーマットや見本がない状態でAIに指示を出しても、出力された内容が良いのか悪いのか判断がつきません。

<まとめ>属人化していたのは、作業ではなく判断

業務が滞っていた本当の原因は、単なる転記の手間ではありませんでした。「この経歴をどう見せれば魅力が伝わるか」という判断やニュアンスの調整が、特定の担当者の頭の中にしかなかったことです。その判断基準を言葉や「見本」として整理し、AIと共有できたことこそが、今回の大きな前進でした。

もし同じような悩みを抱えているなら、まずは「一番よくできているスキルシート」を手元に用意することから始めてみてください。特別なツールを探すよりも、自分たちの「理想の形」を明確にすることが、自動化への一番の近道になります。