建材卸売業
<年間3,000万円超のコスト削減へ>建材卸売におけるメーカー見積対応の自動化━━AI活用により、複数メーカーの見積書を自動解析・統合する基盤を構築
年間数百社規模のメーカーとの取引が発生する建材卸売業。メーカーごとにバラバラな見積フォーマットを手作業で突合・転記し、工務店向けの提出見積書を再構成する「見積作成業務」は、現場の大きな負担となっていました。
KADODEは、「書類の文字を読み取るAI」と「高度なデータ処理を行う生成AI」 を組み合わせ、複数フォーマットの見積データを自動読み取り・一括変換するシステムを構築。業務プロセスのAX(変革)により、1件あたりの見積作成工数を6割以上削減し、年間3,000万円超規模のコスト削減見込みを示したPoC・実装事例をご紹介します。
目次
背景と課題
月間数千件に及ぶ転記・突合作業。フォーマットの不統一による工数の逼迫
工務店から寄せられる見積依頼に対し、営業・営業事務の50名体制で月間2-4千件規模の見積対応を行っていました。
しかし、仕入先となるメーカーは年間数百社規模にのぼり、届く見積書のフォーマットはPDFやExcel、さらにはFAXによる紙回答まで多岐にわたっていました。
主な課題
- データ突合・転記の膨大な手作業
複数メーカーから個別に届くバラバラな見積データを、人力で販売管理システムへ転記・突合し、利益率を乗せて工務店向けに手作業で1本に再構成していた。 - イレギュラー対応の属人化
一部メーカーにおいては見積書だけで情報が完結せず、仕入額を別途確認した上で手動で計算するなどの個別対応が発生。 - 年間5,000万円規模のコスト負担
1件あたりの見積作成に平均30〜40分を要し、全社で月間2,000時間超の工数が発生。コストに換算すると年間5,000万円超規模に達しており、抜本的な業務の仕組み化が急務となっていた。
支援内容・開発アプローチ
AIによる自動フォーマット変換と、段階的なPoCによる効果検証
KADODEは、単にツールを導入するのではなく、複雑な見積業務プロセス全体のボトルネック(転記・突合)を特定した上で、ファクトに基づいたシステム構築を推進しました。
構築したシステムの範囲
- 業務フローの可視化とボトルネックの特定
「工務店 → 自社 → メーカー → 自社 → 工務店」に至る一連の見積フローを徹底的にヒアリング。最も工数を逼迫していた「届いた複数メーカーの見積データの突合作業」に焦点を当てました。 - データ統合基盤の構築
PDF、Excel、FAXなどのあらゆる見積フォーマットをAIでテキスト化し、AIによって自社の販売管理システム向けフォーマットへ自動変換・集約するアルゴリズムを実装。 - 自動集約デモ(プロトタイプ)の開発
変換した複数データに利益率を自動反映させ、工務店向けの1本の完成された見積書としてワンクリックで自動生成できるデモ環境を構築。同時に、仕入額の個別調査が必要なイレギュラーパターンも洗い出して要件定義に組み込みました。 - 実データを用いた確実なPoC(実証実験)の実行
本運用の前に実データを用いて検証を行い、投資対効果(ROI)を徹底的に試算しました。




今後期待される成果
見積作成工数を6割以上削減。定常業務の自動化により、年間3,000万円超のコスト削減を見込む
数ヶ月間のヒアリング・PoC・効果検証を経て、実データに基づく劇的な業務効率化とコスト削減効果を実証しました。
得られた効果(定量)
- 工数およびコストを大幅削減に成功
以下、現状(Before)とAI導入後(After)の比較

得られた価値(定性)
- 営業・営業事務のコア業務へのシフト
最も時間とストレスを割いていた「書類の見比べと数字の打ち込み」という単純作業からメンバーが解放され、顧客である工務店への迅速な提案対応や、新規開拓などの付加価値の高い業務へ時間を活用できるようになりました。 - プロセスの標準化とミス削減
個人の経験や勘、あるいは力技で成り立っていた二重入力・確認フローがAI前提のシステムに統一され、ヒューマンエラー(転記ミスや利益率設定のブレ)が根本的に排除されました。









